限定承認の方法

こんにちは。
相続遺言あいち生活(終活)サポートオフィス
行政書士アイセイ事務所 です。
本日は、どのようなご用件でしょうか。

こんにちは。
今日は、
以前教えていただいた相続の限定承認について聞きたいんですけど。
限定承認の方法とか、家族が亡くなったりした後の相続をどうするかとか。

わかりました。
相続の限定承認についてですね。
では、なるべく詳しくわかりやすくご説明できるようにしていきますね!

まずは、前回までの復習ですが、
人が亡くなると「相続」が発生します。
亡くなった人のことを「被相続人」、
財産をもらう人を「相続人」といいます。

相続というのは、その人のすべての権利、義務や財産を、
配偶者や子供などの一定の関係者が相続人として受け継ぐことで、
すべての財産には、土地や不動産や現金などの財産のほか、
借金なども含まれましたね。

このように相続の対象には、
プラスになる財産と、債務などのマイナスとなるものがあります。
相続の対象となる遺産の種類や、相続のかたちについて「相続放棄の方法」参照
※限定承認や相続放棄を行う場合、
被相続人(亡くなった人)の死亡を知って、さらにそのことによって自分が法律上で
相続人になったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所にその旨を申し出る必要があります。
期間内に申し出なかった場合は、単純承認したことになります。

先日ご説明した相続放棄では、
相続放棄をすると
プラスの財産もマイナスの負債もすべて相続しないということでした。
限定承認では、
財産を相続するけど、プラスの財産の範囲内でマイナスの負債も相続する
というものです。

また、
相続放棄の場合は、
相続を放棄したい相続人が1人から相続放棄の手続きができましたが、
限定承認の場合は
複数いる相続人の中で、1人だけ限定承認するということはできず、
すべての相続人が共同で限定承認をする必要があります。
限定承認:メリット/デメリット
| メリット | デメリット |
| 相続する財産以上の借金を相続しなくていい | 相続人が全員での手続きが必要になる |
| 相続する財産に負債がどれだけあるのかわからない場合に有効 | 家庭裁判所に申述した後、清算手続きも必要になる |
| 借金返済後にプラスの財産が残ったら相続人が取得できる | 準確定申告の手続きが必要になる場合がある |

限定承認する場合には、このようにメリットもデメリットもあるので、
相続人全員で全部理解した上で、同意し手続きする必要があります。
限定承認:手続きに必要なもの
| 【必要な基本書類】 | ・限定承認の申述書 ・相続人(申述人)全員の戸籍謄本(相続放棄者は除く) ・被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの 全部の戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本および、住民票の除票または戸籍附票 ・債務含む財産目録 ・当事者目録 |
| 【追加する必要書類】 | |
| 申述人が 配偶者と 直系尊属の場合 | 直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 申述人が 配偶者の場合 または 被相続人の配偶者と 兄弟姉妹(甥姪)の場合 | ・被相続人の父母の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・被相続人の直系尊属の死亡の記載がある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・被相続人の兄弟姉妹で死亡している人がいる場合は、 死亡者の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・代襲者として甥姪が死亡している人がいる場合は、 その死亡者の死亡の記載がある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 【必要になる費用】 | 収入印紙(申述人1人につき800円)+切手代(裁判所により異なります) |
※限定承認の申述書、土地遺産目録、建物遺産目録、現金・預貯金・株式等遺産目録の様式は、
裁判所のホームページからダウンロードできます。
※限定承認の申述書は、家事審判申立書という用紙に記入します。
その際は、家事審判申立書の事件名に相続の限定承認と記入します。
※申述人によって、必要になる書類が異なります。

相続放棄の手続きと同様に、書類を集めるのは大変ですが、
相続放棄と違って、
手放したくない相続財産などがある場合などは、
限定承認を考えてみる価値があるかもしれません。

そうね~、
裁判所での手続きが必要と聞くと難しそうとか、大変そうとか思うけど、
こうやって詳しく手続きの流れとか、
ひとつひとつ聞いていけば限定承認っていうのも
考えてみるのもいいかもしれないわね。
限定承認:手続きの流れ
| 自分に対して相続開始があったことを知った日から3か月以内に 被相続人(亡くなった人)の最後の住所地の家庭裁判所に申述書を提出する | |
| 限定承認者は、受理審判後5日以内に または、相続財産管理人は、 受理審判後10日以内に 「限定承認をしたことおよび債権の請求をすべき旨」の公告手続きをする | |
| <相続財産を管理・売却> 相続する財産は原則、競売手続きにて換価する | |
| <債務者への清算> 公告期間が終わったら、債務者へ清算する 受遺者が請求申出してきた場合は、債務者への清算が終わってからとなります | |
| 債務者・受遺者への清算が終わり、相続財産が残った場合は限定承認者で取得できる 複数いる場合は遺産分割協議により取得できる |
※相続人が1人だけの場合はその人が、「限定承認者」になり、
複数いる場合は申述書を受理されたときの代表者が「相続財産管理人」となります。
※官報での公告期間は2か月以上必要です。
この時に、すでにわかっている債権者がいる場合は、
公告のほかに別途請求申出の催告が必要になります。
※官報公告は、インターネットの他、メールや郵送、FAXなどの方法で申込ができます。

やっぱり、
相続とかって非日常的なことだから、知識も少ないし、
日ごろから身近ではない書類の名前や用語が出てくるから、
頭の中が混乱するわよね。

そうですね。
相続放棄や限定承認には、裁判所もからんでくることから
なじみもないでしょうし、難しい手続きになってきますよね。

混乱は、大敵です。
困ったときは、
行政書士アイセイ事務所 にご相談ください。

