相続後の不動産の売却の方法

こんにちは。
相続遺言あいち生活(終活)サポートオフィス
行政書士アイセイ事務所 です。
本日は、どのようなご用件でしょうか?

こんにちは。お久しぶりです。
今日は、
この間話してた相続した不動産についての相談なんだけど、いいかしら。

お久しぶりです。
この間話したことというと、不動産の相続登記についてですね!
その相続した不動産についてのご相談でしたか?

そうそう。
その相続した不動産をもし売るとしたら、
どういった風にしたらいいのかしら。
何か特別な手続きとかも必要になるのかしらと思って。

わかりました。
相続した不動産を売却する方法ということですね。
では、ご説明いたしますね。

まず、相続した不動産を売却するための前提として、
その不動産は相続登記していないと売却することはできません。
相続すると決まったのに何もしていないで、
不動産屋さんで売りたいんですがといっても、
相続登記していない限り何もできません。

不動産の相続登記とは、
不動産の名義人が亡くなって、その不動産を相続することになったら、
名義を被相続人(亡くなった人)から相続人に変えることをいいます。
前回ご説明した、不動産の相続登記がこれにあたります。
「不動産の相続登記について」参照

不動産の相続登記をしなくても罰則などはないけど、
早めにしておいた方がいいって話してたことね!

そうか。
相続した不動産を売却したくても、
不動産の相続登記をしてなかったらできないのね。
なるほどなるほど。

そうですね。
まずは、不動産の相続登記がされていることが必要です。

ちょっと話がそれますけど、
もし相続人が何人もいる場合だったら、遺産を分割する際、
不動産は、
相続人の代表者の名義に相続登記をし、その後不動産を売却を経て、
これにより得たお金を相続人で分けるといった便利な方法があり、
これを「換価分割(かんかぶんかつ)」といいます。

もしそのような方法で遺産を分割する場合は、
遺産分割協議書に換価分割との記載が必要です。

換価分割するときの相続税は、
名義人となった代表者だけにかかっているわけではないので、
遺産分割しにくい不動産などの相続では、
売却しお金にかえることによって公平に分けることができますね。

不動産の相続登記ができていれば、不動産を売却できますが、
売却の際、その不動産の当初の購入時より高く売れた場合は、
税金がかかります。

このように利益が出た場合は、売却した翌年に確定申告が必要となります。

どこからか通知が来て、それから払うものではなく、
自らの申告が必要ですので注意してくださいね。

え!
相続した時に、相続税を払うのに、また税金かかるの⁉

そうなんです。
また払うの?ってちょっとびっくりしちゃいますけど、
相続税とはまた別のものです。

不動産を売って利益が出ると、所得税と住民税が課税されます。

この利益を「譲渡所得」といい、ちょっとややこしいですが、
不動産を売却して得た金額が譲渡所得というわけではありません。

譲渡所得は、
土地や建物などの不動産を売った金額から、
「取得費」と「譲渡費用」を差し引いて計算します。

取得費は、
土地の場合は、買い入れたときの購入代金や購入手数料などの合計額です。
建物の場合は、購入代金などの合計額から減価償却費相当額を差し引いた額です。
ややこしいですね。
譲渡所得の計算方法
譲渡所得 = 土地建物を売った金額 - 取得費※1 - 譲渡費用※2
※1 土地の場合、買った時の購入代金や購入手数料などの合計額
建物の場合、購入代金などの合計額から、減価償却費相当額を差し引いた額
※2 仲介手数料や、印紙税、取壊費用など

確かにややこしいわ。
なんだかどれがなんだか、訳が分からなくなってきちゃうわね。

減価償却ってどういうことなのかしら。

減価償却というのは、
建物などの固定資産については年数が経過していくと価値が下がっていく、
ということで計算されるもので、土地については減価償却は行いません。

このようなことから、
不動産を売却する場合は、
建物と土地と分け、建物の価格に対してだけ減価償却を行います。

なるほど。会計上の計算ってことなのか。
会計上では、土地の価値は変わらないから、土地は減価償却を行わないってことね。

今回考えるのは、
相続した不動産の売却についてなので、
この場合の取得費は、
その不動産を購入した金額や、購入手数料をもとに計算します。

もし、売買契約書などが見つからず、
当時の不動産の購入した金額や、購入手数料などがわからない場合は、
取得費を、売った金額の5%とすることができますが、
その場合は、
相続人が支払った登記費用などを取得費に含むことができなくなります。

売った金額の5%で計算すると、取得費がだいぶ安くなってしまい、
税金が高くなってしまう可能性があるので、
できれば売買契約書などで取得費を把握した方がいいでしょう。

被相続人(亡くなった人)がだいぶ昔に買った不動産だと、
どこに売買契約書がしまってあるのか探すの大変そうですけど。

不動産における取得の時期についてですが、
通常の場合、土地建物を買い入れた日になるんですが、
相続での場合は、
相続人が相続により取得した日ではなく、
被相続人が当初取得した時期が、そのまま引き継がれます。

不動産の所有期間で、所得税と住民税の税率が決まります。
5年越えだと、長期の譲渡所得の税率
5年以下だと、短期の譲渡所得の税率が適用されます。

このように相続した不動産などには、
相続してからの期間ではなく、
被相続人(亡くなった人)の取得時期なども関係してくるので、
不動産を売却する場合は、
売買契約書や領収書などといった取得するのにかかった金額が分かるものがあるといいですね。
所得税と住民税がかかわってきますから。

また、相続税の取得費加算の特例として、
相続税の申告期限の翌日から3年以内に相続した不動産を売却した場合は、
相続税の一定額を取得費に加算できるものや、
空き家となっていた親の家を売却するときは、
期間限定の特例を受けられるので、
不動産の売却を決めたら、
どの特例が該当するかを確認するほうがいいでしょう。

今日は、ややこしかったにつきるわ。

そうですよね。
頭をかかえてしまう前に、
こういった場合は、どうすればいいのかしら、とお気軽に
行政書士アイセイ事務所 にご相談ください。

