相続と保険について

こんにちは。
相続遺言あいち生活(終活)サポートオフィス
行政書士アイセイ事務所 です。
本日は、どのようなご用件でしたか?

こんにちは。
今日は、保険類のことでお聞きしたいんだけど、
相続とかの問題になった時に、保険類はどうしたらいいのかしら。
保険にもいろんな種類があるから、ちょっとこんがらかっちゃって。

そうですね。
一言で「保険」といっても種類もさまざまですから、
混乱してしまうかもしれませんね。

では、今日は、
相続が発生した場合の保険のことについて、
わかりやすくご説明いたしますね。
相続と生命保険

では、保険の種類からザっとご説明しますね。
まずは、生命保険の中で死亡に関係する死亡保険についてです。
死亡保険は、「定期保険」、「終身保険」、「養老保険」があります。
●定期保険は、保険期間が定められていて、満了すると保証はなくなります。
保険期間中に死亡した場合には、死亡保険金を受け取れます。
基本的には掛け捨てタイプが主流で、保険料が割安になっているタイプです。
●終身保険は、途中解約がない限り保障が一生涯続くタイプです。
●養老保険は、保障と貯蓄の両方を併せ持ったタイプです。
保険期間は一定の期間で、満期になれば死亡保険金と同じ額の満期保険金が受け取れ、
また、保険期間中に死亡した場合は、死亡保険金が受け取れます。

この保険のうち、
相続に関係あるのは、死亡した時に保険金が入るタイプのものですね。

前にも少しだけご説明したことがありますが、
死亡保険金は、原則、相続財産には入らないんですよね。
相続財産にはならないんだけど、
相続税がいくらになるのかを計算するときには
相続財産に入れて計算しないといけないので、
「みなし相続財産」となります。

そうね!それ前に教えてもらったわ。
財産目録を作るって説明してもらった時だったわね。
みなし相続財産について「財産目録について」参照

そうですね、
財産目録の説明の時に、死亡保険金については軽くお話しました。

おさらいですが、
死亡保険金は、原則として
相続財産にはならないので、受取人が指定されているときは
その受取人がもらえますし、
それに、
受取人が遺産放棄しても、
死亡保険金は受け取りができるともご説明しました。

ただ、
受け取る保険金の額がとても多かったりした場合は、
特別受益として
遺産分割の対象となりえることも出てきます。

生命保険というと、死亡保険金というイメージが強いかもしれませんが、
死亡保険以外にも、死亡後に手続きが必要になってくる保険があります。

被相続人(亡くなった人)が関係する保険の手続きには、
被相続人が、保険の契約者だけれど被保険者ではない場合と、
被相続人が、被保険者であるの場合です。

被相続人(亡くなった人)が保険の契約者
というのは、どういうことかというと、
保険料を被相続人(亡くなった人)が支払っていたということです。

次に、
被相続人(亡くなった人)が被保険者ではない
というのは、どういうことかというと、
被相続人(亡くなった人)が、自分に保険を掛けていたわけではなく、
配偶者や子供に保険を掛けていたと場合などです。

被相続人(亡くなった人)が、
配偶者や子供に保険を掛けていたというような場合は、
そのままその保険を継続するのであれば名義変更が必要になりますし、
解約する場合は解約の手続きが必要になります。

保険の契約者も被保険者も被相続人(亡くなった人)の場合は、
免責事由に該当しなければ保険金が支払われます。

ちなみに、
死亡保険金の請求期限は、原則として3年(被相続人死亡から)で、
それを過ぎたら時効となってしまうので早めに手続きをしましょう。

死亡保険金の受け取るためには、保険会社に連絡をします。
死亡したからといって、
保険会社が自動的に保険請求を進めてくれるということはありませんので、
まずは連絡が必要です。

そうか。
まずは死亡保険金と考えていたけど、
死亡に関係する生命保険以外にも保険の手続きをしないといけない場合が
出てくるわね。
具体的にどんな保険があるかしら・・・。

そうなんです。
生命保険以外にも、火災保険や地震保険なんかも、
被相続人(亡くなった人)の名義で掛けていた場合は、
必要に応じて名義変更や解約手続きが必要となってきます。

被相続人(亡くなった人)の名義の家を相続したけど、
その後その家に住むことはなく空き家の状態となると、
その家の火災保険などの保険料が上がってしまうケースもあるようです。
そのようなこともあるので、
少しでも疑問に思ったことがあれば、
保険会社に問い合わせて確認したほうがいいでしょう。

次は、死亡保険金に関わってくる税金についてです。
死亡保険金に関わる税金の例
| 契約者 | 被保険者 | 受取人 | かかる税金 | |
| ① | 被相続人 | 被相続人 | 配偶者 | 相続税 |
| ② | 配偶者 | 被相続人 | 配偶者 | 所得税と住民税 |
| ③ | 被相続人以外の者 | 被相続人 | 契約者 被保険者以外の者 | 贈与税 |
死亡保険金の受け取りには、契約の形態によって種類の違う税金がかかります。
① 契約者と被保険者が同じ場合、相続税
② 契約者と受取人が同じ場合、所得税と住民税
③ 契約者、被保険者、受取人の3者が違う場合は贈与税
※③の贈与税が、一番税金が高くなります。
※①の場合で受取人が相続人の場合、非課税枠があります。
生命保険金の非課税額

死亡保険金を相続人が受け取る場合、相続税がかかりますが、
一定の金額までは相続税が課税されない
「非課税財産」とすることができます。

非課税額は、【500万円×法定相続人の数】です。

非課税額を計算する時には、
法定相続人の中で相続放棄した人がいても
法定相続人の数に加えて計算します。

では、
どのくらい相続税がかかるのかを例で少しご説明しますね。

まず、
はたして受け取った死亡保険金に相続税がかかってくるのか
気になるところですよね。
この場合、
”非課税控除額後の死亡保険金の金額”と
”被相続人(亡くなった人)の財産”の合計金額を算出し、
相続税における基礎控除額を超えているのかで判定します。
死亡保険金を受け取った場合の相続税の判定について
| 被相続人 財産 | + | 死亡保険金 (全額) | ー | 生命保険 非課税枠 | = | 合計額 | < | 基礎控除額 |
【相続税の基礎控除額 : 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
(平成27年1月から)
【生命保険非課税枠】 : 500万円 × 法定相続人の数
※この法定相続人の数は、遺産放棄をした者も含めて計算する。
<例>
遺産/1,000万円、死亡保険金/4,000万円 を相続し、
法定相続人が3人の場合 (すべて現金や預金)
①合計額:1,000万円 + 4,000万円 ― (500万円 × 3人)= 3,500万円
②基礎控除額:3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
①合計額/3,500万円 < ②基礎控除額/4,800万円

つまり、この例の場合は、
基礎控除額の方が合計額より大きいので
相続税がかからないということになります。
よって、死亡保険金に税金はかかりません。

基礎控除額のほうが金額が大きければ、
相続税はかからないところがポイントなのね!

生命保険の非課税枠だったり、基礎控除額だったり
ちょっとややこしいですが、
税金の発生にかかわってくるので重要です。

ただ、生命保険の非課税枠ですが、
実際に受け取れる死亡保険金が非課税枠より少ない場合は、
非課税枠もその金額に減額されてしまうので、注意しましょう。

そうなのね!
じゃぁ、単純に死亡保険金の非課税枠が人数分あるって考えてたら、
正しい税金を把握ができないことね。

相続税の計算やら、
保険類の名義変更とか解約の手続きとかも出てくるし、
やっぱり相続って大変ね。
保険類の見直しや、どんな保険に入っているか、
受取人は誰になってるのかも、
あらかじめ話し合いしておかないといけないわね。

相続には、たくさんの手続きが関わってきます。
相続税においては、計算間違いは大敵です。
少しでも疑問に思うことがあれば
行政書士アイセイ事務所 にご相談ください。

