相続放棄の方法

こんにちは。
相続遺言あいち生活(終活)サポートオフィス
行政書士アイセイ事務所 です。
本日は、どのようなご用件でしょうか。

こんにちは。
今日は、相続放棄について聞きたいんですけど。
相続放棄の方法とか、家族が亡くなった後の相続をどうするかとか。

わかりました。
相続放棄についてですね。
では、なるべく詳しく、わかりやすくご説明できるようにしていきますね!

人が亡くなると、「相続」が発生します。
すでにご存知かと思いますが、
亡くなった人のことを「被相続人」、その財産をもらう人を「相続人」といいます。

相続というのは、亡くなった人のすべての権利、義務や財産を
配偶者や子供などの一定の関係者が相続人として受け継ぐことです。
このすべての財産には、
土地、不動産や現金などの財産のほか、借金なども含まれます。

亡くなった人の財産を遺産というのですが、
遺産は次のようなもので相続の対象です。
相続の対象となる遺産の種類
| 1.現金や預貯金 |
| 2.株などの有価証券 |
| 3.車や貴金属などの動産 |
| 4.土地や建物などの不動産 |
| 5.賃借権や著作権などの権利 |
| 6.借入金などの債務 |

相続の対象には、
プラスになるものもあれば、 債務などマイナスとなるがあります。
そして、これらを相続する形態は、3つの種類があります。
相続の形態
●単純承認(たんじゅんしょうにん)
財産(プラス)も債務(マイナス)も、全部ひっくるめて相続する方法です。
債務を負担する割合は、相続人の間で自由に決めることができます。
(債務者(第三者)は、相続人の間で決められた債務の負担割合に関係なく、
それぞれの相続人に請求することができます。)
●限定承認(げんていしょうにん)
相続した財産(プラス)の範囲内で、借金などの債務(マイナス)の義務を負うという方法です。
相続した財産分を上限として、負債も相続するというものです。
限定承認は、相続人が全員で共同で行わなければなりません。 参照「限定承認の方法」
●相続放棄(そうぞくほうき)
プラスの財産もマイナスの債務も、すべて受け継がないという方法です。
借金のほうがプラスの財産より多い場合に有効ですが、
相続放棄した場合は、初めから相続人ではないことになるので、
代襲相続も認められなくなります。
相続放棄は、限定承認と違い、相続人1人でも行うことができます。
※限定承認や相続放棄を行う場合、
被相続人の死亡を知り、さらにそのことによって自分が法律上で相続人になったことを
知った日から3か月以内に、家庭裁判所にその旨を申し出る必要があります。
期間内に申し出なかった場合は、単純承認したことになります。

相続放棄というのは、すべての財産を相続しないということです。
プラス財産の家だけを相続して、
マイナス財産である借金は相続しないなどということはできません。
もし、
相続放棄の手続きをしてしまうと、原則として取り消しはできません。

相続する借金(マイナス)のほうが、
相続する財産(プラス)より多い場合には、
自分の財産から代わりに借金を払う必要があります。
ですが、
相続放棄をした場合は、
払わなくても済むというメリットもる半面、デメリットも出てきます。
相続放棄:メリット/デメリット
| メリット | デメリット |
| 相続した借金を支払わなくて済む | すべての財産の相続ができない |
| 相続争いに巻き込まれることがない | 相続人が変わる |
| 1人でも相続放棄の手続きができる | 生命保険金や死亡退職金の非課税枠が使えない |
| 後から相続できる財産が見つかった場合でも相続できない |
相続放棄をするには

相続放棄をする場合は、
自分のために相続開始があったことを知った日から3か月以内に、
家庭裁判所へ申し出なければいけません。
| 【必要な基本書類】 | ・相続放棄申述書 ・申述人の戸籍謄本 ・被相続人の住民票除票、または戸籍附票 |
| 【追加する必要書類 】 | |
| 申述人が 配偶者 | ・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 申述人が 子または孫 (代襲者) | ・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・(代襲者)本来の相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 申述人が 父母や祖父母 | ・被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・被相続人の子で死亡者がいる場合は、 その子の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・被相続人の直系尊属に死亡者がいる場合は、 その者の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 申述人が 兄弟姉妹・甥姪 | ・被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・被相続人の子で死亡者がいる場合は、 その子の出生から死亡までの 戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 ・申述人が甥姪の場合は、 本来の相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本 |
| 【必要な費用】 | 収入印紙800円+切手代(申述人1人につき) |

申述書は、
家庭裁判所の窓口や、
ホームページからダウンロードすることで入手できます。
何度もいいますが、 提出の期限は、
自分のために相続のあったことを知った日から3か月以内です。
※申述書の提出先は、被相続人(亡くなった人)の最後の住所地の家庭裁判所に提出します。
相続放棄する相続人が、未成年者や成年被後見人の場合は法定代理人が提出します。

相続の手続きは、とても大変です。

相続放棄をした場合は、
相続人同士での話し合いや、
相続人全員の手続きなどをしなくてもよくなります。
自分は、遺産は一切いらないとなれば、
1人でも相続放棄の手続きができます。

ですが、
相続放棄した後に、
被相続人(亡くなた人)の新たな財産が見つかった場合は、
一切相続はできません。

自分が相続放棄したことで、
新しく相続人になった人が借金のことを知らずに相続をしたりなど、
トラブルのもとになってしまうケースもあります。

相続放棄する前に、
相続人同士や、自分が相続放棄した場合に新たに相続人になる人へ、
放棄する理由や債務などを話をしてからのほうがいいかもしれません。

いくら1人で手続きできるからって、
相続放棄を1人で勝手にやるのはやめたほうがよさそうね。

はい。もめごとは一番の大敵です。
お困りごとは
行政書士アイセイ事務所 にご相談ください。

